桜くんとは「ろくでなし」という映画のお仕事で一緒になりました。僕は音楽の担当だったので、現場でご一緒することはなかったけれど、決起会という飲みの場で席が近く、お互いざっくばらんな性格とでもいいましょうか？初対面ですっかり意気投合し、また飲もう！と、おうおうにして口約束で終わる社交辞令が、即実現されました。
その二度目の飲みの席で、今映画の音楽のオファーをいただいたのです。
「かるい奴」
「話しのはやい奴」
というのが最初の印象です。
「ろくでなし」での彼の演技、飲み会での彼の素の顔、そして「宝物の抱きかた」での、彼自身の手による作品の表現、全部が別人のようにも見えるし、でも違和感を感じない。

見てて寒くないし、痛くない。

それって表現者にとって、とても大事なことだと思うのです。

最後になりますが、別のお仕事では曲をお渡しした後、編集の方が、シーンに合わせて曲をきったり、山場に合わせて盛り上がり部分を繋いでくれるのですが、桜くんのお仕事は、最初に映画を見せられ、役者の動きに合わせて初めから

「ここで展開して！」
とか

「ここで終わって！」
とか

とか...

スタジオで初めてストップウォッチと画像を流しながらレコーディングしました。
とても苦労しました。

でも仕事を入稿しおわった後、新宿のタイマッサージ屋さんに連れて行ってもらい、僕の疲れはなんなくほぐされてしまったのです。

劇中の矢吹沙千伽が歌う「僕が死んでしまう夜に」はアナログ盤で発売させていただきました。
映画共々よろしくお願いいたします！

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